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コーポラティブハウスの勉強会 [MUK]

とても興味深い勉強会に参加しました。
コーポラティブハウスについて学ぶ連続講座。

1回目は、都住創の大規模コーポの事例紹介。
「建築」に初めて出会ったころ、憧れをもって眺めていた建物がたくさん紹介される。
「こんなところに暮らせたら楽しいだろうな・・」が建物の平面図からもにじみ出てくる大規模コーポの事例。
適した土地があり、公的機関の内部にもそういったことを受け入れる土壌があり、また、
主体になってやりたい住まい手もたくさんいて、実現した住まいのかたち。
『こういう建物がつくれる時代があった』という言葉に、少しの寂しさも感じた。

2回目は、最近の事例。岡山の不動産屋さんが主動して実現した、戸建てコーポの話。
「不動産屋が変われば街は変わる」の熱い思いで持って実現に奔走され、
5~7軒の住民があつまり、「ちょうどよいコミュニティ」が誕生した、という事例。
http://www.balplan.jp/cooperative.html

コーポラティブ住宅のメリットとして、balplanの石井さんは、このようなことを挙げられた。

 人気エリアだけれども使い勝手の悪いような土地をうまく取得できれば、そのエリアにしては
 割安で、戸建てを取得できる可能性がある。

 一斉に建築することのメリット(建築費)

 ちょうどよいコミュニティー(大きさ、距離感) 集まって住む楽しさ

 街に新しい元気を吹き込む

 ほかにも集まってだからこその例として、太陽光発電や菜園、防犯面でのメリット、
 なんでもシェアリング・・・など

岡山という土地柄があって実現した面もあるけれど、大阪の郊外であれば(=土地価格の問題)
このような手法が使える可能性を感じました。

balplanのお二人。私と同世代かな。完成に至るまでの道のり、手探りですすめていかれた様子を、
丁寧にきかせてもらった。住民候補が集まり、さぁ組合結成という時点でキャンセルが出るなど、
胃の痛くなる思いも数多くし、紆余曲折。完成したコーポの全景写真に胸が熱くなった。そして、
そんな紆余曲折をともに歩んできた仲間たちと暮らす日々を思うと、やっぱり、
いいな、と思う。

ものすごく特殊なことが成されたのではなく、こういう選択肢がもっと、ごく普通に
あったらいいなと思う。ちまたの集合住宅とはまったく異なる発想から
誕生する「集まって住む」かたち。
そのステキな事例の誕生までのストーリーを、何か、明るい光が見えたような気持ちで
聴き入ってきました。

南大阪で、
自分の身近なところで、
こういうこと、実現できないかな。

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写真はアースデイ。ステージを眺めるなつき。
4月からの新生活。「かーちゃんといっしょにおうちにおる~~(涙)」と最初の一週間はずいぶん
泣かれましたが、
もう大丈夫、かな?園の規模がこれまでと全く違って、いろんなおともだちがいて、
まだちょっと緊張の面持ち・・・・

がんばれなつき。逞しく!!
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この場所で。 [MUK]

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現在計画中の、住宅の敷地に行ってきました。

山裾に広がる、田園風景。そんななかに、住宅を計画しています。
農地を宅地にする手続きが必要なため、申請手続きで少し時間がかかっていますが・・・

それにしても、この立地!

初めて伺った、冬の寒い日。
このような場所で、計画できる。 わくわくと同時に、この風景にしっくり
馴染むカタチとは・・・以前から建っていたと言われればそうだったかな、と思うような?
・・・そんなことを考えながら敷地に立ちました。

周辺の田に水が入った春。
石垣や畝に雑草が茂り、稲の生長と競い合うように、青々とした、草いきれがたちこめた夏。
稲穂が実り、あたり一面が黄金色に染まった秋。

そして、稲刈りが終わり、季節はめぐって、冬。
計画案はかたまり、実施設計も、もう一息です。

楽しみ。

Image154.jpg 12月。

我が家に、モミノキがやってきました。
みなで飾りつけ。
クリスマスの雰囲気が出て、とってもよいのですが、
きみかがはいはいで突進→鉢の土をぎゅうっと掴んで床にばらまく→そうじ。を
繰り返していますよ。
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桜ヶ丘のいえ [MUK]

昨年、お産の直前まで、携わっていた住宅のリフォーム工事が
完成しました。

DSC_2376.jpgDSC_2381.jpgDSC_2366.jpg
最初に設計依頼のお話をいただいたのが昨年の夏。
通常、「設計」と「現場監理」をセットで受けることを前提としているので、
お産の時期のこともあり、難しいかな、と思ったのですが、

「おじいちゃんの住んでいた築35年の家に愛着がある。古いもののよさを
大事にしながら、手を入れたい」
「ブログを読んで、頼みたいと思った」(←子どもの話や、食べ物の話ばかりなのに!)

・・・施主さんのそんな言葉と、お人柄に惹かれ、また、妊婦仲間ということもあって
意気投合。これもご縁と、設計と工事契約のとりまとめまで、というイレギュラーなかたちで
お受けすることになりました。

そして、完成。
しっとり落ち着いた雰囲気の和室と、
全面改装したLDKの明るさのコントラストが面白い仕上がりとなりました。

引越しも無事済まされ、先日は、工事前後の写真をムービー仕立てにしたものを
いただき、現場監督だった夫とともに、嬉しく拝見しました。
工事の途中、2tトラックに乗って、IKEAキッチンを買いにいったのも、
楽しい思い出です。

もうじき第二子が誕生されるOさんファミリー、
今後とも家族ぐるみでどうぞよろしくお願いします。


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秋の行事 [MUK]

長期旅行中の母から葉書きが届きました。
このごろはすっかりじいちゃんっ子で、『じぃじ、じぃじ~』のなつきでしたが、
この日は『なっちんのばぁば』と、葉書を大事そうに握りしめてお布団に入りました。

・・・・・
日曜日は運動会。
いつも行事になると固まってしまいがちのなつきですが、今回は
長く通っている貫禄を感じさせる落ち着きようで、
オープニングのダンスから、音楽にあわせて生き生きと踊る姿に、
このところすっかり涙もろくなった母は、こみあげるものがありました。
上のクラスになるとリレーやかけっこがあるのですが、負けじと懸命に走る姿、
周りをみわたしながら楽しげに走る姿・・・
それぞれの個性が見ていて飽きないですね。
なつきはどちらの個性をみせてくれるんだろう。

親子競技に揃って出場したなつきと夫。
先生に、『なっちゃん、パパにべったりねー』と声かけられましたが、
母からみると、とーちゃんがなつきにべったり、、、に見えましたよ。

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・・・・・
月・火と岐阜行き。
今年から2年間、岐阜県立森林文化アカデミーという学校で、科目履修生となっています。
5月に続いて二度目の集中講義。

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受講しているのは『木造建築病理学』という講座。
ちょっと重いめのタイトルですが、
簡単にいうと、『建物(主に木造住宅)も高齢化すれば健康をそこなうのだから、
適切な診察・診断を行い、それに基づく治療(=改修工事)が必要で、
そのための技術を、実際の建物に関わりながら理論と実践の両面から学んでいく』講座です。

自分の携わる仕事内容からも、まさにこの部分の強化の必要性を強く感じていて、
よいタイミングでこの講座に出会えたこと、本当にありがたいと思います。

ちなみに、『木造建築病理学』という講座があるのは、日本ではこのアカデミーだけだそうです。
ストック(中古住宅)市場が活発なヨーロッパ、とくにイギリスでは、この分野の教育も盛んで、
国家資格もあり、ストックの診断・評価をするビジネスも成熟しているという。
この差は大きい。

・・・・・
90分×8コマの授業プラス試験というハードスケジュールで、
さすがに身体はぐったりでしたが、
概論に始まり、温熱環境、構造、腐朽、防蟻(シロアリ)・・・と盛りだくさんの内容。
頭の中と気持ちはとても充実した2日間でした。
アカデミーの学生さんに混じり、科目履修生は県内外から7人の社会人が参加しておられ、
そんな方たちとの交流も楽しい時間でした。

写真は、2日目の朝。
早起きしてとなりまちにあるカフェへ、優雅なモーニングに繰り出しました。
岐阜のモーニング文化もなかなかのもんなんだよ、とは、県民の方のことば。

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ラピュタの家 [MUK]

マンションリフォーム、着工しました。

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事務所兼自宅。我が家です。

設計を私が、工事の現場監督を夫がしています。工事が始まって、夫婦の
会話が増えました(笑)

概要を少し。
昭和54年建築の(築29年)の公団の分譲住宅を昨年末に購入。
斜面地に建つ階段型の建物で、昔から(子どものころから!)気になっていた建物です。
このたび縁あって住むことになりました。

細長い間取りが、廊下でさらに細長く分断され、部屋が細切れになっている、
その間仕切りの壁を、工事初日からがんがん壊していきます。

壁がなくなって、日に日に室内が明るくなっていくその過程は
本当におもしろく、わくわくしながら現場通いです。と同時に、計画図面通りにはいかないところや、
こうしたほうがいいかも、というところがちらほら出てきて、いろいろ悩みます。
楽しい悩みではあるのですが。。
家を建てるときの施主さんの気持ち、あらためてわかったような気がします。

春の訪れを感じさせる、とびきりお天気の日に撮った1枚。

子どものころ、はじめてこのマンションを”探検”にきたとき、
『ラピュタの世界みたい・・・』と、わくわくしたのでした。



現場日記 [MUK]

和泉市のT邸増改築工事が着工しています。

板壁に漆喰塗りの外壁。
どっしり骨太の構造材。和泉市ならではの昔づくりの落ち着いた建物です。
2間続きの和室と、洋室が2室という田の字型の間取りに、
家族4人と、平日滞在されるおじいさんおばあさんのための生活の場として
必要な機能をどう構成するか。。

『収納が圧倒的に足りないのです』
出会いは、この言葉から始まった印象が強いですが、
天井裏をのぞくと、立派な太鼓梁。単に収納スペースを増やすだけではもったいない。
限られたスペースでも、実用本位の部分と、ゆとりの部分とから成るように、
ここでの
暮らしがよりよきものになるように、と
じっくりと打合せを重ねてきました。

久しぶりの現場通いにも、わくわくしている私です。




木の家と、木のおもちゃ [MUK]

祝日の月曜日。
設計事務所在職中に担当させていただいた、京都の施主さん宅へ。

在職中と変わらぬあたたかさで迎えていただき、建築当時の懐かしい思い出話などで
盛り上がりました。嬉しい再会でした。

建物完成は7年前。当初から、住まいをセンスよく住みこなされるご夫妻に、
訪れるたびに感心させられていたのですが、
月日を重ね、その佇まいに木の家ならではの深みを増したそのお宅、
さらに素敵になっていました。
建築当時、小学生だった息子さんは19歳(そして身長が185cm!)
お姉さんも就職で家を出られ、4帖×2部屋だった子ども室の間仕切りを
取り払い、住まいの第2ステージへ。。

・・・・・
帰り際、とてもうれしいお土産をいただきました。
子どもさんたちが使われた、おもちゃ。20年前の木のおもちゃは
使い込まれていい味が出ている。そんな、家族の歴史が刻まれた思い出の品を、
譲っていただいたことが何よりうれしい。

小さな玉を指でつまんで、てっぺんの小さな穴にいれると、ころころとスロープを転がり、
最後に鉄琴の上をソファミレド・・ 大人が遊んでも心躍るようなステキなおもちゃ。

はじめうまく遊べなかったなつきでしたが、あっという間に、
  ボールをつまみ小さな穴に入れる。
   転がる様子をじっと目で追う。
    『ソファミレド!』
     自分で拍手!!

何度も何度も、ものすごく集中して向かっています。


左官の話 [MUK]

MOKスクール大阪2007の講義へ。
講師は京都の左官屋さん 佐藤ひろゆき氏

「左官入門」~塗り壁の魅力と題して

「藁・土・砂・水」が原料の土壁。建物が解体されても再利用でき、
環境への負荷も小さい。
職人の技量に依るところの大きい左官文化の継承は
設計者が図面に「土壁」とかくことでも、その道は少し明るくなる、という。

佐藤氏。ユーモアを交えながらここまで幅広く語れる職人さんは
珍しい。

・・・・・
 関東の漆喰文化に対し、よい土が採れることで発展した
関西の「土壁文化」。

 昔は親方に弟子入りし「丁稚奉公5年」「お礼奉公2年」制度があり、
手間(職人の人件費)が安かった。手間が高い現在では、それを減らすために、
工場で既調合された「左官材料」がつくられ、
現場で水を混ぜるだけで誰でも比較的簡単に塗れるように。
誰でも簡単に塗れることでよい面もあるが、左官技術の面では
後退すると言わざるをえない。

(手間を減らす方向にすすんだことに対しては、左官業界としても
反省すべき点があるという)

 本物の土壁は高いといわれるが、建築費全体に占める割合で見るとどうか。
システムキッチンの『ランク』を1つ落とせば、メインの居室を土塗り壁にできるのでは。

 小さい子がいる家だと壁を汚す、と敬遠されるが、部分補修をできるのも土壁ならでは。
『すこしの傷は家族の歴史』と捉えてほしい、また、壁は乱暴に扱えば傷むものだと
躾をすることも大切。
 お茶室での動きはなぜ優雅なのか。

下塗り・中塗り・上塗りと工程が分かれるが、予算がこれだけだから今回は下塗りまでに。
何年かあとで余裕ができたら中塗りを。また何年かして上塗りを、という選択もある。
家づくりを、10年20年かけてその道のりを楽しんでもよいのでは、
という言葉に納得。

・・・・・
職人さんと直接話すこと。
こういう壁はできませんか、と投げかけ、対話できる関係をつくることの重要さを
改めて思う。現場は職人さんにとって技の披露の場。設計士はその盛り上げ役でも
ありたいと思う。

色粉を使わず、土の微妙な調合でつくりあげた土壁の数々

 

 


解体が始まりました [MUK]

堺のW邸リフォーム工事が着工しました。

まずは解体工事。
今回、建物(築25年)の老朽化部分のリニューアルと
耐震補強を行いますが、耐震補強に関しては
『常時微動測定』を工事に先立って行いました。

これは、「建物」と「地盤」の固有周期(建物も地盤も
体では感じない程度の微動を常にしています。その周期の
こと)を測定し、地震時にどの程度揺れるかを推察する。
それらの周波数が近い数字であるほど、地震時には共振を起こすため
危険、ということになります。

今回、この測定を補強の前と後に行い、わかりやすいかたちで
経過を追っていこうという試みをしています。

耐震補強は床・壁・天井すべてを一旦撤去して行うのがベストですが、
補強工事だけで「住み心地」が目に見えてよくなるわけではないので、
大々的な補強には踏み切りにくい、という現実があります。
(例えば、室内環境は何も変わらないけれど、
補強だけに150万とか200万かける、という決断はされにくい。)

その点、今回のリフォーム工事では、LDKと水廻りの全面改修に伴い、
床も壁もいったん解体する。それなら、天井も解体してしまい、
耐震補強もしっかり行いましょう、という流れをつくることができました。

築25~30数年の木造住宅のこれからの選択肢。
「建て替えか?」
「リフォームか?」
「このままいくか?」

そのひとつのモデルケースになればと思います。

*4月17日付 朝日新聞の「新・防災力」のページで
住宅の耐震化についての特集があります。
補強工事中のW邸の写真も一部、掲載される予定です。



 

 


1年たちました。 [MUK]

名古屋のSさんのお宅が完成から1年。メンテナンスに行ってきました。

完成時、「よそいきの顔」だった住まいも1年が経つと、
ムクの素材はやさしい赤味を増し、いい感じの艶も出て、
珪藻土の白壁ともすっかり馴染んでいます。

愛情をたっぷり注がれ、「家族の色」に住みこなされている様子を
見るのは、なにより嬉しい瞬間です。

 

 

 


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