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左官の話 [MUK]

MOKスクール大阪2007の講義へ。
講師は京都の左官屋さん 佐藤ひろゆき氏

「左官入門」~塗り壁の魅力と題して

「藁・土・砂・水」が原料の土壁。建物が解体されても再利用でき、
環境への負荷も小さい。
職人の技量に依るところの大きい左官文化の継承は
設計者が図面に「土壁」とかくことでも、その道は少し明るくなる、という。

佐藤氏。ユーモアを交えながらここまで幅広く語れる職人さんは
珍しい。

・・・・・
 関東の漆喰文化に対し、よい土が採れることで発展した
関西の「土壁文化」。

 昔は親方に弟子入りし「丁稚奉公5年」「お礼奉公2年」制度があり、
手間(職人の人件費)が安かった。手間が高い現在では、それを減らすために、
工場で既調合された「左官材料」がつくられ、
現場で水を混ぜるだけで誰でも比較的簡単に塗れるように。
誰でも簡単に塗れることでよい面もあるが、左官技術の面では
後退すると言わざるをえない。

(手間を減らす方向にすすんだことに対しては、左官業界としても
反省すべき点があるという)

 本物の土壁は高いといわれるが、建築費全体に占める割合で見るとどうか。
システムキッチンの『ランク』を1つ落とせば、メインの居室を土塗り壁にできるのでは。

 小さい子がいる家だと壁を汚す、と敬遠されるが、部分補修をできるのも土壁ならでは。
『すこしの傷は家族の歴史』と捉えてほしい、また、壁は乱暴に扱えば傷むものだと
躾をすることも大切。
 お茶室での動きはなぜ優雅なのか。

下塗り・中塗り・上塗りと工程が分かれるが、予算がこれだけだから今回は下塗りまでに。
何年かあとで余裕ができたら中塗りを。また何年かして上塗りを、という選択もある。
家づくりを、10年20年かけてその道のりを楽しんでもよいのでは、
という言葉に納得。

・・・・・
職人さんと直接話すこと。
こういう壁はできませんか、と投げかけ、対話できる関係をつくることの重要さを
改めて思う。現場は職人さんにとって技の披露の場。設計士はその盛り上げ役でも
ありたいと思う。

色粉を使わず、土の微妙な調合でつくりあげた土壁の数々

 

 


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コメント 1

ハシヤン

左官屋ぢゃ無いけど土壁は興味ある、やってみたいです。
技術も無いですけどねぇ…
by ハシヤン (2007-08-06 06:28) 

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