泉北ニュータウン学会 [堺のまち]
この4月から「泉北ニュータウン学会」が発足し、14日にその
設立記念フォーラムが開催されました。
千里ニュータウンからほぼ10年遅れで街開きをした泉北ニュータウン。
スタートから約40年がたちました。人口は現在16万人弱。
鉄道・飛行機・車と、抜群の交通の便のよさも手伝って
独自のブランド性をもつ街、千里に比べても、
泉北は街全体の活気が年を追うごとに薄れてきているのを感じます。
学会設立の背景として、そうしたことへの危機感が住民や行政の間で
強まっていることが伺えました。同じ悩みを抱えるのが
元祖ニュータウンである「多摩ニュータウン」。
多摩ニュータウン学会の会長さんの講演では
「危機感を持ったときにはすでに遅すぎた」という言葉通り、
非常に厳しい状況に陥っているようです。
どうなる泉北!まずは学会が立ち上がり、今後、
具体的にはどう展開していくかが問われます。
●まちづくりは人づくり
行政主導のまちづくりには限界がありますが、
住民にも、行政との連携をとれるだけの力量が問われています。
「何か自分にできることがあればしたい」パワーの溢れている街でも
あると思います。行きたい集いだけに参加するのではなく、
行きたくない場にも顔を出す。そこで、さまざまな人と(苦手な人とも)
議論する。そうすることで人(自分)磨き。それが地域づくり、街づくりへ
つながる。たしかに。(耳がイタイ)
●ふるさと意識を育てる
街開きとともに入居した世代 (おもに60~70歳代)の子世代・孫世代
にとってはこのまちは「ふるさと」であるはず。
ふるさと意識を育てる。例えば、小中学生に「ふるさと泉北ニュータウン」
の作文を募集するなど。
でもその前に。
ここで暮らす大人が、この街を愛せているだろうか?
子どもに胸を張って誇れる街であるか?
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泉北を「ふるさと」だと思い、この街で建築の仕事に携わる自分に
何ができるだろう。
講演の中で、「戸建て住宅の敷地分割」の話が出た。1敷地あたり
60~100坪もあるため、庭が十分に確保でき、緑豊かな街並みと
なっている。土地の持ち主が変わり、2分割、場合によっては3、4分割
された場合、家を建て、駐車スペースをとったら植栽スペースは
ほとんど残らない。そして街並みが変わる。
実際には地域の反対により、この分割を認めない地区もある。
しかしこの問題、一概に、いいとも悪いとも言えないと思う。
泉北で育った同世代(30代)が世帯をもつ時期にきている。地元に戻って
マイホーム購入を考えたとき、100坪の土地を購入して家を建てられる
30代40代ってそうはいない。
結局、100坪敷地のゆったりした住宅地は緑の茂るお屋敷街で、
住人の年齢層も偏ったまま。
高齢化がすすむ状況は変わらない。
空家、空き地も目立ってきた住宅街で、隣り合った2敷地の
利用方法を考えてみる。
例えば低層の集合住宅。
3~5世帯分の住居スペースと駐車場。200坪も敷地があれば
植栽も十分できる。戸建で暮らすメリットのひとつ「接地性」や
植栽スペースを確保しつつ、泉北で戸建に住みたいと
いう人たちが集まれば、こういったことが実現可能では
ないだろうか?
実現すれば、泉北の街に、これまでにはなかったような一画が
あらわれる。こんなところからも、街に「新しい風」を
吹き込むことができるのではないだろうか。
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